おはようございます。
突然ですが、洋式トイレの床面からの高さをご存知でしょうか?
製品にもよりますが「37センチ」から「38.5センチ」くらいの高さだそうです。
便座の厚みを入れても、40センチ程度です。
体育館などにあるパイプ椅子の高さも大体、40センチくらいです。
スクワットだと、パラレルスクワットくらいの高さです。
パラレルスクワットとは、スクワットをした時の姿勢(しゃがみ具合)の事ですが、床面と大腿部(太もも)の前面が床面と平行になるくらいのしゃがみ具合です。
今回の「とある数字」というのが、洋式トイレや、椅子などの高さの数字です。
それぞれ、トレーニングの目的や、目標があると思いますが、僕らJ-SPOは介護予防事業でトレーニング指導も行っているので、この「40センチ問題」を無視することはできません。
介護予防トレーニングの場合、字の通り、「介護予防」ですから、トイレも自分の力でいける事も大事です。
一人で、トイレに行けたとしても、便座から立ち上がる力がないと、自分の力でトイレに行ける状態とは言えません。
手すりがあれば、大丈夫という方もいますが、手すりをつかまえて、腕の力を使いながら、立つ動作。
もちろん、立ち上がる事ができるので、いいと思います。
ただ、まだ、足腰に余裕がある高齢者もいます。
その方達が、本当は手すりがなくても大丈夫なのに、手すりを使う癖がついてしまうと、最小限の足の筋力で立ち上がるフォームを獲得します。
これは、高齢者だけではなく若い方達も同じです。
決してこれ自体が悪いわけではありません。
手すりを活用して、体を操作すること自体は、効率的で、体の使い方としては、上手い使い方だと思います。
ただ、日常で鍛える事のできる機会を減らしてしまうので、「もったいない」な、と思っているだけです。
スポーツトレーニングの考え方に「キネティックチェーン」と「アイソレーション」という考え方があります。
「キネティックチェーン」とは体の繋がりや、連携をさせて動かすことです。
つまり、単独の筋肉だけで、力を発揮するのではなく、手すりを使って、腕の筋肉と足の筋肉をうまく連携させて、使う運動動作の事です。
逆に、「アイソレーション」とは単独で、動かす事を意味します。
アイソレーションについて引用⬇︎
トイレからの立ち上がり動作でいうと、先程とは違い、手すりを掴まえずに、足の筋肉だけで立ち上がる動作になります。
・キネティックチェーンは、複数の筋肉、関節を同時に使うです。
・アイソレーションは、手だけとか、足だけとか単体の筋肉や関節を使った動きです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人間一人一人を、筋肉一つ一つと例えて説明すると
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
引越しなどを想像してみて下さい。
冷蔵庫を2人、3人で運ぶ方が楽ですよね。これが、連携をした「キネティックチェーン」とイメージしてみてください。
逆に、冷蔵庫を1人で運ぶのってきついですよね。
#1人では無理でしょ
#例えなので勘弁
これが、単独で行う、「アイソレーション」みたいな感じです。
ここで、少し見方を変えて欲しいんですが、もし、1人で、冷蔵庫を運べるとしたら、数人で運ぶより、負荷が大きいですよね。
つまり、高強度の負荷になるので、明らかに鍛えられます。
でも、2人〜3人だと、負荷を分散するので、筋肉を鍛えるには、非効率です。
「キネティックチェーン」と「アイソレーション」は、どちらもトレーニングをする時に、大事な考え方です。
どちらが、いいとかではなく、目的によって選択が変わるだけです。
なので、手すりを掴まえて立つ方が、安全だと判断した場合は、無理に、足だけの筋肉を使わずに、「キネティックチェーン」で効率的に体を使う判断も大事です。
これは、全ての動きにいえることです。
長々と、すいません。
*「キネティックチェーン」と「アイソレーション」については、もっとお伝えしたい事がありますので、別の回で書いてみようと思います。
まとめます。
なので、単独で鍛える余裕があるうちは、手すりを掴まえずに、毎回立ち上がり動作をした方が、筋力維持の継続に繋がります。
トレイは、ずっと使用していきたいものです。
できるだけ、自身の力で、トイレを使い続けるためにも、「40センチ」からの立ち上がり動作を意識的にすることも大事なんじゃないかなと思いました。
これは、僕自身も、他人事ではなく、いつかもっと深く向き合う日が来る問題だと思います。
中々、外に出てのトレーニング機会が少なくなった時代ですが、生活動線に少し運動になるものを忍ばせておくのも面白いと思います。
では、本日もお付き合いいただきありがとうございました。
ベーシックスクワットに関しては、こちらの動画を参考に⬇︎
最新プロジェクトはこちら→J-SPOスポーツプロジェクト